石原元都知事 VS 小久保監督
昨日の WBC Japan 侍は非常に惜しかったですね。6連勝して米国に乗り込み、世界一奪還を目指すも、準決勝で敗退。試合後のミーティングで、小久保監督は「負けの責任は全て俺が取る。胸を張って日本に帰れ」と言い残し、退任を決意します。一方、豊洲市場への移転問題を調査する都議会の百条委員会の証人喚問で、石原元都知事は、「移転を決裁した責任は認める」と証言しました。しかし、土壌汚染対策については「担当者に一任するしかない。私は知らない」とも追加言及しています。小久保監督は潔く責任を取り、さすが「侍」だと感じます。しかし、石原元都知事は世間の印象が悪く、メディアによっては晩節を汚すとまで。この差は一体何なのでしょうか?
プロジェクト・マネジメント的に説明しますと、責任分担マトリックス(RAM: Responsibility Assignment Matrix) がうまく報告できなかったことが原因かと。 責任分担マトリックスとしてRACIチャートが使われ、PMBOK の人的資源マネジメント計画のツールと技法であります。
RACI チャート | ||
R | Responsible | 実行責任 |
A | Accountable | 説明責任(全体責任) |
C | Consult | 相談対応 |
I | Inform | 情報提供 |
このように、プロジェクト内の各メンバーに役割と責任が明確化されます。これをWBC Japan 侍と豊洲移転問題に当てますと、以下になります。
WBC Japan 侍 | 豊洲市場への移転 | |
Responsible | 選手 | 担当者 --> 当時の担当幹部(中央卸売市場長) |
Accountable | 監督 | 石原元都知事 |
なので、一番の罪人は、やはり当時の担当幹部(中央卸売市場長)でしょう。それも石原元都知事へ報告をしていないことが事実であれば、なおさらです。 ただし、日本人の感覚としては、「侍のように潔く腹切り」が美徳になることも事実です。「私は知らない」と脳梗塞を理由に上から目線で答弁するよりも、「担当者に一任し信じるしかありませんでした。私の監督が怠り、大変ご迷惑をお掛けしました」と潔く謝罪したほうが、もう少し世間からの心象が良くなったかもしれません。
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