プロジェクトは常に成果物を意識しましょう。(WBS 深堀編)
プロジェクト・マネジメントの定義で、WBS という言葉があります。前回の豊洲の盛り土問題でもこの言葉を使用しました。WBS は (Work Breakdown Structure)の略語で、プロジェクト全体を細かな作業(Work)に分解(Breakdown)した構成図(Structure)と言われています。例えば、カレーライスのWBS は以下のようになります。
しかし、これだけでは十分と言えません。ここから、WBS の深堀りをしますね。それは、「作業 --> 成果物」 となり、実は無駄な工数が生まれる可能性があるからです。この無駄な工数発生を防ぐため、私は WBS を 成果物型の分解したほうがいいと考えています。つまり、「WBS -> 必要な作業」というプロセスです。その結果、成果物型のWBS は以下のような例になります。
プロジェクトは有形であれ無形であれ、必ず成果物を創造します。この成果物がブレるとプロジェクト全体に大きな影響を与えます。ましてや、豊洲の盛り土問題に関しては、期待した成果物が完成できていないという悲惨な結果になりました。
PMBOK でも、スコープのベースラインを入力としてプロジェクトのスケジュール作成やコスト見積りを作成していますので、成果物型の分解構成図のほうが相性が良いです。
この関係図からも分かるように、スコープ・ベースラインの重要さが伺えます。プロジェクトには納期や予算も大事ですが、その前にスコープを定義して成果物型の WBS を作成しましょう。というのも、実際問題として、成果物をあまり意識せず、納期や予算ばかりがプロジェクト・マネジメントと思っている人は少なくありません。ほら、豊洲の盛り土問題がその例でしょう。「工事をしていたらなぜか地下空間になりました。」でなく、「盛り土という成果物のため、必要な工事を実施する」ということです。プロジェクトは常に成果物を意識しましょう。
ちなみに、世の中一般的に WBS = World Businnes Satellite のほうが有名です。よく間違えますので、気をつけて使いましょう。
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