ラズパイ3vsラズパイ4 UnixBenchによるパフォーマンス評価編
前回のブログ
ラズパイ4の動作温度に不安(ファン)なし (ラズパイ3vsラズパイ4動作温度編)
にも記載しましたが、ラズパイ4はラズパイ3に比べてかなり高温になります。
ある意味、その高温はIC動作を起因とする発熱なので、CPUやGPUの処理能力がとても高くなったのではないでしょうか。 ということで、実際に UnixBench というツールを用いて パフォーマンス評価をしてみました。
UnixBench はその名称からも分かるとおりUNIX系システムの性能を調査するためのツールで、CPUやRAM、ディスクなどを対象とする複数のテストから構成されています。 参照元: https://code.google.com/archive/p/byte-unixbench/
UnixBench のテスト一覧表
テスト名 | 説明 |
Dhrystone | 整数演算処理の性能をベンチマークします。 |
Whetstone | 浮動小数演算処理の性能をベンチマークします。 |
Execl Throughput | システムコール処理性能をベンチマークします。 |
File Copy | ファイルのコピー速度 を測定します。 |
Pipe Throughput | プロセス間通信で使われるパイプのスループットを測定します。 |
Pipe-based Context Switching | プロセス間通信で使われるパイプによるコンテキストスイッチ性能を測定します。 |
Process Creation | プロセスの生成速度を測定します。 |
Shell Scripts | シェルスクリプトの実行性能を測定します。 |
System Call Overhead | システムコール実行時のオーバーヘッドを測定します。 |
Graphical Tests | 2D/3Dグラフィック性能を測定します。 |
UnixBench は以下からダウンロードできます。https://code.google.com/archive/p/byte-unixbench/downloads
実行方法
$ curl -O https://storage.googleapis.com/google-code-archive-downloads/v2/code.google.com/byte-unixbench/UnixBench5.1.3.tgz
$ tar zxvf UnixBench5.1.3.tgz
$ cd UnixBench/
$ ./Run
ラズパイ4とラズパイ3の UnixBench パフォーマンス結果
4 CPUs in system; running 4 parallel copies of tests | ラズパイ4: RaspberryPi 4 Model B (4GB) | ラズパイ3: RaspberryPi 3 Model B+ |
Dhrystone 2 using register variables | 3494.0 | 1258.7 |
Double-Precision Whetstone | 1739.3 | 712.6 |
Execl Throughput | 574.6 | 411.4 |
File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks | 472.3 | 441.4 |
File Copy 256 bufsize 500 maxblocks | 307.8 | 303.7 |
File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks | 999.3 | 784.8 |
Pipe Throughput | 322.8 | 715.6 |
Pipe-based Context Switching | 395.6 | 363.4 |
Process Creation | 326.1 | 293.1 |
Shell Scripts | 1276.5 | 773.5 |
System Call Overhead | 1237.5 | 698.8 |
Graphical Tests | 1247.1 | 1376.5 |
System Benchmarks Index Score | 767.2 | 600.6 |
パフォーマンス評価として総合 Index Scoreで比較しますと、
- ラズパイ4: 767.2
- ラズパイ3: 600.6
となりましたので、当然ながら ラズパイ4の方に軍配が上がります。しかし、あれだけの動作温度で発熱しながら稼働している割には、Score 換算値 で 28 % upしかないのは、ちょっとかっがりします。
参考情報 |
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