豊洲の盛り土問題は、WBSとCCB が原因である。

豊洲の盛り土問題は、まさにプロジェクト・マネジメント問題と言っても過言でありません。端的に言えば、「盛り土」は土壌汚染対策としての工事方法で、これが知らぬ間に「地下空間」になっていたという事件です。このプロジェクト・オーナーである都知事の「承認なし」に建築物が変更されていたという恐ろしい事実が赤裸々になりました。

豊洲市場

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そもそも、どういうプロジェクト・マネジメントをしていたのでしょうか?「盛り土」から「地下空間」とへ成果物(WBS) が変更される際には、大小あるにしても  CCB(変更管理委員会)の承認が必要となります。少なくとも、この CCB に都知事が参画していなことは明白な事実のようです。

  • WBS (Work Breakdown Structure) : 成果物を分解した階層構造の構成図
  • CCB (Change Control Board)     : 変更管理委員会

さらに、中央卸売市場長の中西充副知事でさえ、「盛り土の未実施は知らなかった」と釈明していることから、そもそも変更管理委員会は存在していない可能性があります。豊洲市場移転という大規模な事業さえ、このような初歩的なミスをするのですね。プロジェクト・マネジメントのPMBOK は、このような失敗事例を元に作成された知識体系的なガイドラインです。つまり、この豊洲の盛り土問題もプロジェクト失敗例の「あるある辞典」に該当するでしょう。東京都はこの問題を謙虚に受け止めてほしいですね。責任を擦り付け合いでなく、原因を追究して改善策や予防策に注力することを希望します。

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